朝日が暗い森を照らした
夜通し走り続けていた百瀬はぐったり膝をついた

方位磁針も狂ってしまう樹海だこの森に長年住む魔法使いでもないかぎり北がどちらかなんてわかるはずもない



「夜明けが左からきてる・・・とゆうことは僕はずっと南にすすんでたんだな・・・」
「やあどうしました旅の方!」



百瀬が水を飲もうとした湖から現れたのは美しい白鳥でした
なんということでしょう、白鳥がしゃべっています



「ここはメルヘンです。白鳥だって喋ります
それよりあなた、池の水なんてそのまま飲むんじゃありませんよ。お腹を壊します」
「あー僕けっこう丈夫なんで大丈夫です」
「そうですか・・・それより・・・いやでも見ず知らずのあなたにこんな話をするのはねえ」



白鳥はもじもじしてなにか聞いてほしそうです
ちらりと視線をとばされて仕方なく百瀬はききました



「…僕の力になれることならしますよ、とりあえずここに水があって助かったし」
「ほんとですか!?いやーあの僕じつはこの国の王子なんですけど」



白鳥は自分はこの国の王子で、ここからずっと北に住んでいる悪い魔女に呪いをかけられて白鳥にされてしまったんだと言いました



「あー確かに街でなんか王子様がいなくなったとか聞いたなあ」
「そうなんですよ・・・こんな姿じゃ誰にも信じてもらえないのでこの湖でひっそり暮らしているんです・・・」
「僕もその魔女に狼になる呪いを解いてもらわなきゃいけないんですだからよかったら一緒にいきますか」

「えっあの魔女はおっかないですよ・・・それにあの、僕の呪いは愛する人にキスしてもらったら解け・・・ちょっとちょっと聞いてますかあ!?」



そのころ百瀬を探しにいった千尋は魔女の家でお茶を飲んでいました
昨日の晩ホウキで北へ北へ飛んでみたけれど百瀬らしい姿はみえなかったからでした
まあ百瀬はずっと南にすすんでたから見つかるはずもないんですけどね・・・

北の魔女の家は橘くんと同じレンガ造りですが中身は何もかも違います
怪しいものは一切なく豪華な宝石でいろどられ、まるでセレブの隠れ家のようです



「狼になる呪い!橘くんも冗談キツイわねえ」

「でも来てないんすよね・・・迷ったのかな この森広いから」

「そうねえあたしでも変なとこいかないように気をつけてるのに・・・ここより西はヤバイわよ
 夕暮れどきとかすごくキレイなんだけどね、原っぱが真っ赤になって ちょっときもちわりーのよ」

「魔物がでるんすか」

「たぶんね」



そのときドンドンと扉を叩かれました



「きたかしら?」



メグは扉をあけます